和歌山県の主催するビジネスミッションに同行させていただく形で、
1/31〜2/4でインドのマハラシュトラ州にあるムンバイ、プネーに行ってきました。
「現地企業や学生との交流の場を設けてほしい!」と事前にお願いしていたのですが、
想像以上にたくさん詰め込んでいただいたおかげで、数日間とは思えないほど充実した訪印となりました。
現地でも様々な学びがあったので、記事としてシェアします。
■Day1
成田空港からシンガポールのチャンギ空港を経由してムンバイにあるチャトラパティ・シヴァージー国際空港へ。
ここ最近は羽田ー南紀白浜の1時間弱のフライトに慣れてしまったおかげで、トランジット込みで10時間強の移動がめちゃくちゃ長く感じました。
西海岸沿いの都市なだけあって夜とはいえど湿度も高く、空港を出るとさっそくモワっとした空気が。アジア圏のこの感じが大好きです。
夜遅くの到着だったので初日は空港近くのホテルまで移動して即就寝。
The Lalit Mumbai
■Day2
ホテルで朝食をとり、ムンバイと同じマハラシュトラ州にあるプネーへ。
スラムドッグミリオネアでも有名なムンバイのスラム街を横目に、5時間ほどバスで移動しました。
プネーはムンバイに続いて州で2番目に大きな都市で、日本語教育も盛んなのだとか。
標高も高く、気候も落ち着いていることから日系企業も多く進出しており、
現地の人でも日本人が住むにはプネ―が1番オススメ!とのことでした。
(ちなみに2番目はもっと南にあるベンガルールですが、現地の方曰く「交通渋滞のせいで人生の半分は損してる」町らしいです。笑)
道中で昼食をとり、市街地にあるホテルに到着。
到着後は、こちらのロビー階で現地企業との交流会に参加しました。
同業でもある人材系の企業数社と、翌日訪問予定のエンジニアスクールの先生ともご挨拶。
「近々日本で就業希望しているエンジニアが何人かいるので、さっそく履歴書を送ります!」といってくださる企業もあり、約2時間半、みっちり情報交換することができました。
ここでは、白浜オフィスで昨年3月まで学生インターンをしてくれていたもーちゃんとも
無事に再会再開することができました(実は今回はもーちゃんのおかげもあって、このビジネスミッションに参加することができました。あらためてありがとう!)。
交流会後は最上階にあるバーでビールを飲んで就寝。
基本的にアジア圏のビールはどれも好きなのですが、インドビールのキングフィッシャーも安定のおいしさでした。東南アジアのビールと比べるとそこまで薄くはない感じ?
個人的にはシンハーとかビアラオみたいな少し薄めのビールが好みです。
■Day3
3日目の午前中はIT企業の「Fidel Softech」さんの訪問から始まりました。
プネーでも特にIT企業の密集している「ITパーク」にオフィスを構えており、
システム開発と翻訳業務をメイン事業としている会社さんです。
実際に開発ルームの見学もさせていただきましたが、エンジニアだけで80名強が在籍しているそうで、当日も黙々と開発に打ち込んでいました。そのうち日本語の話せるエンジニアが15名弱、社員では日本人はいないみたいですが、学生インターンの受け入れ予定があるのだとか!CTOの方も日本語が上手で、一気に親近感がわきました。
午後は同じくプネーにあるエンジニアスクール、「Pimpri Chinchwad Collage of Engineering(通称PCCoE)」を訪問しました。
コンピューターエンジニアリングをはじめ、機械工学、電子通信工学なんかを教えられてる教授さんたちと一緒に、
「日本での就業を希望する学生たちはどんなスキルを身につけるべきか」
「日本での就業をフォローしてくれるような取り組みや協定は可能か」
のようなディスカッションをすることができました。
実際にこのPCCoEでも日本語の勉強をしている学生は多いようで、
実際に学生さんたちから直接お話したい!とのオファーを受けて質疑応答させていただきました。
「皆さんはなぜ日本で働きたいのですか?」と質問すると、「日本の文化が好き」「インドと比べると給料が高い」「友人が多く働いているから」との声が。
もちろんスキルや会社にもよりますし、物価の違いなんかもあるのでしょうが
大卒社会人の初任給が日本円にして月に約5万円代~からスタートすることもあるらしく、個人的にも衝撃的でした。
反対に「日本で働くとしたらどんなことに注意するべき?」という質問には
個人的に「いわゆるインド時間と日本時間の違いに慣れること」かなと思い、お伝えさせていただきました。
今回は乗る機会はありませんでしたが、インドの電車は数時間遅れるのもザラだと聞きます。そもそもインドは日本に比べて朝が遅く、ゆっくりと1日がスタートするようです。朝食を9時〜10時頃に食べ、昼食は13時〜14時頃が普通とのこと。
住んでしまえば自然と慣れていくものなのでしょうが、日本はだいたい9時ごろから仕事を始める会社が多いんだよ、と言うと、「オオー」という声も。日本の慣習を知ることが、少しでも将来のヒントになれば幸いです。
少し時間も押してしまったので、帰りは下り道をビュンビュン飛ばして再度ムンバイへ。
この運転がまあなんとも結構な荒さで、久しぶりに椅子から体が浮く経験をしました。
行きの道中でもずっと道路を見てると、すれ違う車の半分以上がスズキの車でした。その次がヒュンダイかな。スズキは、インドの会社を含めてもインド人の中で有名な会社トップ10に入るそうです。
そんなこんなでなんとかムンバイに到着し、夕食をとってホテルに移動。
このホテルはマリンドライブの目の前に位置していて、海沿いは深夜0時を過ぎてもたくさんの人でにぎわってました。夜景も綺麗でちょっとリゾート感。
■Day4
昨日の運転の影響か、朝一でバスが故障するプチトラブルもありながら、ムンバイ市街地を抜けてJETRO(日本貿易振興機構)のムンバイ事務所へ。
道中ではいたるところで「タタ」の文字を目にしました。さすがインド経済の中心地、企業も財閥の影響が強く、特に「タタ」はどこにでもあるし、やってない事業なんてないんじゃないかってくらい。
※タタ・グループ:ムンバイを拠点とするインド最大のコングロマリット
JETROムンバイでは「日系企業のインド進出のヒント」について講義をしていただき、
その後は無印やワコールのような日系企業の入っているフェニックスモールへ。
しばしお土産タイムの後に、再度ムンバイの企業数社との打ち合わせがありました。
ここでお話させてもらった企業は、なんとSangoportについてかなり詳しく調べてくれていて、それで興味を持ってサクラグのブースへ来てくれていました。プネーにもこういう仕事に熱心な人は多くて、人口の多さや若さ以外でも改めてビジネスやマーケットの可能性を感じる瞬間でした。いずれこういう方たちとの協業が実現出来たらいいなあ。
Sangoportの現地需要に関しては、まだまだ調査が必要ですが需要はありそうだと感じています。現地の人材企業とも提携して拡大できたら面白そうです。
「サクラグ2030計画」に掲げている「アジア経由アフリカ行き」や「30拠点」を実現するうえで、ベトナム同様、間違いなく候補に入ってくる国だなと感じました。
その後は今回のビジネスミッションのメインでもある、マハラシュトラ州と和歌山県との間の観光や食品加工に関する覚書締結10周年の更新調印式にも参加させていただきました。
インド門横に用意された会場にて、一緒に訪印していたレスリング協会や相撲部員たちの催しを見つつ、調印の様子を見学。
先日和歌山県知事に就任された岸本さんとも初めてお会いし、お話することができました!就任時のメッセージに共感する部分が多かったこともあり、陰ながら応援させていただいています。
無事に調印式も終わり、その後はマハラシュトラ州からタージマハルホテル内の会食に招待いただき、ホテル内へ。このホテルは2008年にムンバイで発生した同時多発テロで襲撃されたホテルで、「ホテル・ムンバイ」という実話を題材にした映画でも有名なホテルです。1階のロビー奥には慰霊碑もあります。
インド最後の夕食が一番豪華で、思い出に残るものになりました。
■Day5
最終日は空港に移動して帰国を残すのみ。
道路の混雑のせいで、世界遺産でもあるチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅へは行けませんでしたが、また次回のお楽しみということにしておきます。
この数日間で、現地でないと見たり聞いたりできないリアルな環境・文化に触れ、改めて海外の魅力や可能性、マーケットの規模に魅了された大槻でした。
今回のビジネスミッションを企画していただいた和歌山県の企業振興課、産業振興団体、JETRO、そして同行くださった企業の皆様にこの場をお借りして感謝をお伝えできればと思います。貴重な体験をありがとうございました!