【インタビュー】サクラグ初の時短ママ執行役員になった木村杏子さん。 週2時短勤務の派遣社員だった彼女が、執行役員になったワケとは?

広報+D&I推進室室長+執行役員という二足ならぬ三足の草鞋を履く彼女。

歩みを進める日々の中で変わったこととは何なのか、そしてこれから取り組んでいきたいこととは何なのでしょうか。

 

 

【プロフィール】
木村 杏子(きむら きょうこ)

医療関連会社でのマーケ部門立ち上げや、産学協働の公共貢献施設での現場コミュニケーションリーダーを経て、2020年9月広報担当としてサクラグに入社。

2021年4月にD&I推進室長就任。バックパッカーとして世界33ヶ国を旅した経験を活かしながら、サクラグで働く一人ひとりが「広義での多様性を認めること」や「世界中の誰ひとり取り残さないこと」を目標として行動できる組織づくりを目指し、広報とD&I推進室を統括。2022年5月より執行役員に就任。

SAKURUGと出会ったきっかけは保活の失敗

もともと仕事を辞めて出産をした木村さん、当初は子どもをすぐに保育園に入れて働こうとは思っていなかったといいます。

 

木村:子どもが1歳になった頃、そろそろ仕事を再開したいなと思って保活を始めてみたのですが、そんなに甘いものではありませんでした(笑)。区役所の窓口に行ったら、まず入れないと思ったほうが良いですよ、と。ようやく一時保育に入れることができたものの、働ける時間が週2日10時〜16時という条件付きだったため、希望の仕事はそう簡単には見つかりませんでした。

 

そんな時に出会ったのが、週2日・時短での勤務がOKだったサクラグ。
このサクラグとの出会いが、このあと彼女の可能性を大きく開花させることとなるのでした。

 

苦労の連続だった入社後

最初は派遣社員としてサクラグにジョインした木村さん。
入社後すぐに担当することになったのは、これまで経験のない広報の仕事。全く知識がない状態だったので、まずは広報に関する本を読むなどして勉強しました。

 

加えて注力したのは、前職の常識をサクラグに合わせてアップデートしていくことでした。

 

木村:最初の1,2ヵ月は特に、前職の常識がしみついているんです。転職経験があればわかる方も多いと思うんですけど、会社によって常識って全然違う。サクラグでは何を求められ、何が評価の軸となるのか、それを知ることから始めました。ビジョンやカルチャーがしっかりしている会社なので、その点では助かりましたね。これを実践していけばいいんだな!と。

 

また、はじめての子育てと仕事の両立にも苦戦したといいます。

 

木村:週2日しか勤務日がないということは、自分がいない日のほうが多いということ。その間に進んでいることの情報量の多さと、絶対に残業できないという制約の中で、ギャップを埋めていくのには特に苦労しました。

 

そこでまずはあらゆる面での情報のキャッチアップに注力しました。
会社のメールやチャットはもちろん、代表のSNSなどもくまなく追って知らないことは周りのメンバーに聞く、ということを実践しました。

 

木村:知らないことは語れない。まずは会社やメンバーをことを知って、語れるくらい好きになること。それが広報としての第一歩だと思って仕事に臨んでいました。

 

「会社を語れるひとになること」を目指すなかで、彼女にとって大きなターニングポイントが訪れたのでした。

 

 

 

キックオフの総合幹事で感じた「私でもやっていいんだ」

派遣社員として働いて1年経った時、正社員としての雇用が決まりました。また保育園の枠も1日増え、週3日での勤務がスタートしました。
そしてそのタイミングで、代表の遠藤さんから「次回(2020年秋)のキックオフ(社員総会)の総合幹事になってくれませんか?」と打診をされました。

 

木村:お話をいただいたとき、私の中ではキックオフの総合幹事はフルタイムのメンバーがするものというイメージがあり、週3時短の私にも出来るのか?という不安がありました。
ですが代表に「出来ます!」と断言されたので、じゃあやります!と(笑)。

 

当初は時短ということを気にしていましたが、ほかの幹事メンバーが積極的にスケジュールを合わせようとしてくれて、時間内でタスクを進行させることができ、不安は一気に払拭されたといいます。

 

木村:普段あまり関わることのなかったメンバーと密に連絡を取り合ってキックオフを一緒に作り上げていく感覚は心地良く、準備を進めるなかで会社のことがどんどん好きになっていきました。キックオフ当日も自分より若くて頼れるメンバー達と一緒に盛り上げることができ、総合幹事ができて本当に良かったと感じました。

 

このキックオフをきっかけに、それまで漠然と感じていた、時短という立場への遠慮からくる「出来ない理由」は思い込みで、自分が常に当事者としてその場に入っていくことが何より重要だと気が付いたといいます。
そして、このターニングポイントが、次のステップへとつながることとなりました。

 

初の総合MVPとD&I推進室室長への任命

木村:総合MVPで自分の名前が呼ばれるとは全く予想していませんでした。
この時もまだ自分の中で「時短社員は対象外だろう」と線引きをしていたんです。あまりにびっくりしすぎて、受賞スピーチでもひと言目に「何もコメントが出てきません…」と言った記憶があります(笑)。

 

2021年春のキックオフで総合MVPを受賞。同時にD&I推進室室長にも任命されました。

 

木村:実は私、その時はじめてD&Iという言葉を知ったんです。何も知らない私が室長になる…そこにはそれなりのプレッシャーがありました。

 

広報を始めた時と同じく、イチからD&Iについて勉強し、また有志のメンバーとブレストミーティングをして、意見や知識を参考にしたそうです。
周りのメンバーのおかげもあり、実際に事業とどのように結び付けていくのか少しずつ見えてきたといいます。

 

木村:サクラグは代表のD&Iに対する意識がもともと強い組織。だからこそ会社が実現したいD&Iをカタチにしていくことが重要になってきます。
「会社が目指す未来のイメージをキャッチして、それを描く」という姿勢は、広報とも通じています。

 

そして木村さんの社内外への働きかけによって、サクラグのD&Iは一気に推進されていきました。

 

 

時短ママ執行役員への任命

2022年春のキックオフで発表された、初の時短ママ執行役員任命。
事前に代表から打診があった際、木村さんは即答したそうですが、理由は何だったのでしょうか。

 

木村:ひと言でいうと「信頼の蓄積」です。対象は2つあって、1つは代表自身。広報、キックオフの総合幹事、D&I推進室の室長など、代表にやってみませんかと言われての後悔したことが1つもない。だから代表のプレイスメントを心から信頼しているんです。
もう1つは経営理念。代表がいつも言っている「家族より大事な仕事はない」は、役割が変わったとしても揺るがないものだと思ったんです。

 

 

執行役員になって変わったこと、今後実現していきたいこと

執行役員になったことで、セミナーやイベントで登壇するとき伝えられることが増えたと感じているという木村さん。

 

木村:例えば私の場合、社会にハードルを感じつつ非正規雇用で仕事をはじめましたが、執行役員になったことで、自分のバックグラウンドを受け入れてもらい責任のある仕事をしてもいいと言ってもらえる環境がこの世界にあるんだ!と思うことができました。
これを自身の経験を通して伝えられるのは大きいです。

 

広報+D&I推進室室長+執行役員と3つのポジションを掛けもち、一見、なんでも簡単にこなしてしまいそうに見える木村さん。
ですが苦手なことはもちろん、できないことも多いと言います。そこに対してはどう向き合っているのでしょうか。

 

木村:なぜできないのか原因を探ることも大切ですが、考えている間は出来るようにはならないんですよね。なので「できないベースでどう切り抜けるか」を常に考えるようにしています。切り抜け方を試行錯誤するうちに自然と原因が見えることもあるし、切り抜けたというファクトを積み重ねると、振り返った時にはそれが「できること」になっているんです。

 

数年前には想像出来なかった今のポジション。
サクラグに入社する前はITという言葉は遠いもの、ベンチャーも怖いものだと思っていました。また執行役員というとバリバリのキャリアウーマン!というイメージもありました。

 

木村:イメージに縛られていたのは自分自身で、実際勇気を出して踏み出してみると自分が想像していたものといい意味でギャップがありました。今はただ目の前にあるものを学び取り組むことで、未来が開けていくという経験をさせてもらって幸せだと感じています。

 

今後は、自社サービス『Sangoport』とより密接に連携していきたいと考えているそうです。

 

木村:『Sangoport』はDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を推進する採用マッチングプラットフォームです。D&I推進室の活動を通じて、双方が目指す「公約数」ではなく、「公倍数」をどんどん見つけていきたいと思っています。

 

また個人としては、まだまだ会社のビジョンを体現出来ていないと感じているそう。

 

木村:サクラグがこれまでの自分の可能性を開花させてくれたように、今度は自分が周りのメンバーの可能性を開花させられるようになりたいと思っています。

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