とある休日の土曜日。
僕は部屋に入り込む日射しで目が覚めた。
しばらくの間ぬくぬくしていると
窓が開いて急に冷たい風が吹く。
窓に目をやると、君は一週間溜まった洗濯物を
バルコニーに干してくれていた。
窓を開けると六本木通りの車の音が煩い。
君のまだ起きないの?という視線に気まずくなり僕は起き上がった。
そのままキッチンへ行って嗽をして炭酸水を飲む。
昨日の残りで炭酸は弱くなっていたが、今の僕にはそれが丁度良い。
僕はまた部屋に戻って座り込む。
昨日の夜、色んな意味で頑張ったせいなのか、身体が重たい。
腰から下だけが鉛のようだ。
そんな僕に君は何も言わずに寄り掛かってくる。
僕は何も言わないし君も何も言わない。
僕は君の考えてることがわかる気がするし、
君も僕の考えてることを理解してくれてると思ってる。
良く見たら部屋のゴミ箱もキレイにしてあった。
僕は「ありがとね。」と小さく呟く。
すると君は笑顔で僕の胸に飛び込んできた。
まるでそれは無邪気な子猫のように。
飛び込んでくる君に構うわけでもなく僕はPCを開いた。
愛用のMBAはあっという間に立ち上がりメールBOXを開く。
昨日のメールをチェックし、ソーシャルをチェックする。
40分くらい過ぎたのだろうか。
ふと僕は空腹感に気付いた。昨日の夜も飲んだだけで、何も食べてない。
時計を見ると13:42
僕は立ち上がって外を見る。
冬の空と低い太陽が東京タワーをキレイに見せる。
何となく外を歩きたくなった僕は
「ご飯食べよっか?」と君を外に連れ出した。
僕はカットソーとスウェットにPコート。
とりあえずストールとニットキャップで寒くないように。
君はタイトなデニムにファー付きのコートを着ている。
外に出ると思ったより寒い。
寒いからなのか、僕にくっつきたいからなのか、君は僕の腕にしがみついてくる。
表参道まで歩いて逆三角形のビルに入る。
時間も時間だしお客さんもまばらだ。
サラダを2皿食べる僕を見ながら君はパスタを食べている。
楽しそうな中に、ちょっと寂しそうな顔を見せる君に気づきながら
僕はずっとiphoneを見てる。
食べ終わって外に出て僕は会社へと向かう。
22時くらいには戻ると残して僕はタクシーに乗り込んだ。
会社に着いてから、誰もいないオフィスでPCと向き合う。
静かなオフィスは集中でき、僕に感性を齎してくれる。
21時半頃、会社を出た僕は、昼間との気温の違いに驚きながら帰路につく。
家に着くと君は満面の笑みで迎えてくれた。
僕は妙に照れくさくなり無言で部屋に入る。
すると君は急に寂しそうな顔になって下を向く。
僕は今かなあと思って真っ赤な袋を渡した。
何となく感謝の気持ちが伝えにくかったけど、
一緒にいてくれることの感謝の気持ち。
君は涙を浮かべながら抱きついてきた。
簡単だなあと思いながらも、素直に嬉しい。
ふと気づくと僕は布団で寝ていた。
君はいつの間にかいなくなっていて、不思議に思ったけど
僕は着替えて会社に向かった。
日曜は来週の動きの確認とか色々盛り沢山。
でも、会社に着くと何だかバタバタしている。
みんなオフィスのカーペットの貼り替えをしていた。
カーペットの貼り替えは土曜日と聞いていた僕は後輩に確認する。
「カーペットって日曜になったんだっけ?」
後輩は不思議な顔で僕にこう答えた。
「・・今日、土曜日ですよ。。」
今日、、土曜なのか。。
ん?
するってえと、
昨日のは
夢だったのか。。
そういえば、
彼女おらんかった。。
12月、予定が一個も無いんだった。。
こんな休日が過ごせたらいいなあと思って
僕は夢を見たのか。
ありがとう神様。
もし、僕に彼女が出来たらこう伝えたいと思います。
「いつも、ありがとう。」